Description
この商品に含まれるもの:
- 録画ビデオ視聴権(無期限)
- スライドPDF
- 参考文献一覧
このイベントでは、全体を以下の三部に分けました。
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政治的スペクトラム
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全体主義
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病んだ社会から脱出する方法
1. 政治的スペクトラムでは、全体主義、権威主義、自由主義、民主主義などの概念が標準的な教科書で、どう説明されているのかをおさらいします。例えば、日常語では、左翼はなんとなくマルクス主義と同じものとして使われたりしますが、左翼・右翼という言い方が出てきたフランスの憲法制定国民議会が開かれた十八世紀後半には、そもそもマルクス主義はまだ存在しません。言葉の意味が分からないと、何の話をしているか分からなくなるので、まずそこから出発します。
2. 全体主義では、このイベントの案内で書いたように、最近の日本に対して全体主義という形容がなされることが多くなってきましたが、本当にそれが妥当なのかどうか、妥当だとすればどこが、妥当でないとすればどこがそうなのかを見ていきます。
3. 病んだ社会から脱出する方法では、現在の日本をナニ主義と形容しようが、日本の病みを示す事象は毎日のように現れています。急激な経済的凋落だけでなく、上がり続ける税・社会保障費の国民の負担率、報道の偏向化や質の悪化、司法に対する信頼の低下、一向に改善しない女性差別、貧困・病気・障害・老年・幼年など様々な理由による弱者に対する支援の欠如、ますます表面化する性的搾取に対する無策、国際的比較における教育レベルの低下、進み続ける少子化等々。何にも問題はない、全て順調だと言う人がいるのは確かですが、上記のような現実によって被害を被っている当事者が実際に存在するわけですから、何かがおかしいと感じている国民は少なくないはずです。
政策議論はここで対象としません。ここでは、このような状況の中で個人としてどのような対応ができるのかを先人の知恵を借りて検討しました。
け~たん –
「ではどうすればよいのか?」という質問に先回りして答え始めていただき、満足感がさらに高まりました。次回の講義も大いに期待しつつ、よしログさんの講義を受講しているコミュニティの皆さんと議論する場が活発になるとよいな、と思っています。と、言いつつ、それがあったとしても、中々参加できそうになく、横のつながりをどの様に形成すればよいのか、どなたかと共に考えたいと思っています。
ライブ参加者 –
いろいろ今日の内容を聞いているうちに、自分でも「もっと歴史の勉強をしなくてはいけないな」と思っていたら、最後にYoshiさんが歴史の本を読まれるといいとおっしゃってました。なにかおすすめの本は(きっと今までにも紹介されていたとは思いますが)ありますでしょうか?
サユリ –
よしさん、ありがとうございました。
録画でおさらいしたいと思いますが(この時間帯に本当にお疲れ様です)、ハイブリッド体制のところがなかなか鳥肌ものでした。多くの人がそういう名前がついている状況と知らず暮らしている日常において、気づきとなる情報もなく自分の周り半径2メートルくらいの世界に生きているようで、最後の病んだ社会からの脱出の部分はとても重要だと再認識しました。
定義などの学びの部分と、最後の実際に個人が取りうるアクションやマインドセットの部分が上手くリンクしててとても面白かったです。
ありがとうございました。
千早直子 –
次回に乞うご期待って感じでしたが 次回って告知はまだですよね⁈
そっちにすればよかったかな…などと思ったり…
うっかり者で申し訳ございません<(_ _)>
ライブ参加者 –
よしさん、今日もありがとうございました。
全体主義についてのLIVEでした。自分が日々生活をしていて、歴史的に今どんな時代に生きているのか認識するのが難しいと感じることがあります。渦中にいるとわからないのです。民主主義国家に住んでいると思っていたのに、そうとは思えないことが目の前で起こり続けて、生きづらさを感じて、このままではいけないと思いながら、個人としてできることは何なのかわからないでいました。
今回心に残ったのは、年ごとの民主化が進んだ国の数と民主主義が後退した国の数のグラフです。日本独自ではなく、世界的な現象として民主主義の後退の傾向が大きくみられると知り、ますます世界全体の流れを注意深く見ていく必要があると実感しました。何かあれば、子どもたちだけでも海外へ、との対策は万全ではないということです。
平行社会の重要性、ということを新しく学びました。自主的分散的にできた全体主義社会に対抗した社会という概念は、鬱々とした不安な毎日の明るいひとつの道筋に思えました。自分のこれから、ということも考えますが、やはり、子供たちが今後どんな世界で生きていくのか、どんなふうに生き抜いていくことができるのか模索するのは諦めたくはないと思いました。まずは、歴史から現状を見極め、どんな未来が起こりうるか深く考えたいと思いました。
よしさん、ありがとうございました。お疲れ様でした。
翔空 –
日本の権威主義と全体主義のハイブリット体制から抜け出すにはどうしたらいいのか?
というのは常に考えていた事でしたので、「病んだ世界から脱出する方法」の4つはとても考えさせられました。結局は病んだ世界をどうにかするにはパラレルワールドを作って分散的に対抗するしかなく、それが希望であることは解かるのですが、同時にそれは権力者から狙われる対象になる大きなリスクを孕むので、これを選ぶ人は実際的には限られてくるのは想像がつきます。大部分の人々はアルコールや何かに逃げ、不満を抱えたまま言う事を聞いて従うのでしょう。
これは人類の永遠の課題ですね。
命をかけて戦う事が出来るのか?
パルチザンの歌が人々を魅了するのは誰もが心ではそう生きたいと願っているからでしょうね。https://youtu.be/4iqYv_fS2SI
ライブ参加者 –
今週もありがとうございました。
日本人はオッサンでなくとも傲慢で卑屈な権威主義の人が多く、民主主義国家(仮)から全体主義国家に、着実に突き進んでいると思います。しかも、定義どおりの全体主義国家ではなく、廉価版の様な気がします。もう一度よしさんの資料を見直すことが必要ですが、日本はしっかりした?イデオロギー?を持っていないのでは?
病んだ社会から脱出する4つの方法のうち、解決方法は並行社会というのは納得しましたが、攻撃的でなかったのが意外でした。まずは生き延びる事が大切なのだろうか。今後『力なき者たちの力』も読もうと思いました。
ライブ参加者 –
日本はずっと権威主義から脱せていないと思うが、まだ全体主義には至っていないと思う。しかし全体主義への転落はあっという間に起こりそうとも思う。最後の対抗策は非常に興味深い分析だと思うが、ソ連崩壊という幸運があったチェコスロバキアと異なり、戦前の日本を繰り返すであろうと思うと、全体主義になってしまったら出口は当分ないのではなかろうか。
ライブ参加者 –
「かくある」と「かくあるべき」とでは、「かくあるべき」を語る方が面白いと思っていて、それは未来に希望を描くことができるからだろうと思っている。「○○学」と「○○哲学」の違いは「かくある」と「かくあるべき」と理解しているので、ならば政治について語る時は、政治学よりも政治哲学の方が面白いことになる。
全体主義は政治哲学ではあるけど、結果として「かくあるべき」と考えられるべきものではないことが、歴史の中で結論付けられてきたと思う。しかし、哲学である以上、そこには価値判断を伴うわけで、つまりは「そうなるべきではない」と考えられる方の哲学である、要は反面教師である、と理解すれば良いのだろう。かつて自分が学んだ政治のケーススタディと頭の中でぶつけたりしながら講義を聞いていて、なるほど、と思ったところもあるし、自分で改めて確認してみたいところもある。自分の課題が見つかるのは楽しい。
なお、ファシズム発祥の地イタリアにおける全体主義とは、そもそもは「国家の完全な代表と国家⽬標の完全な指導」といった、見ようによっては素朴な祖国統一、挙国一致といった価値観を反映したものだったかも、という仮説は興味深かった。「未回収のイタリア」が長年の課題で、国民国家としてのアイデンティティの形成が他のヨーロッパ諸国に比べると遅かったと思われるイタリアでは、国としてちょっと過激な方に行ってきつくまとめようとしなければ、第一次大戦後のヨーロッパ各国に足並みを揃えて行くことができない、と考えるのも分からない話ではない、と思われた。ただ、そのような哲学ないし統治理論を今後どこかの国が適用すべきか、というと、やはり「そうなるべきではない」と思われるものではあるけれど。
個人的にはお話の中にあった「後退的逃避」によりかかる傾向が見事にあるので、ここは改善すべきものだろうと思う。例えば今、日本に全体主義復活の兆しが顕著である昨今、各個人が意識的に自由に、しかし社会に責任ある生き方をすることは、政治的経済的、文化的にも必要だし、自分の人生をより尊厳あるものにすることでもあるのだろう。
今回もありがとうございました。
ライブ参加者 –
「全体主義」とは耳にしたことはありましたが、ちゃんと掘り下げて考えたことがなかったので、「権威主義」との違いも含め、今回で理解できたと感じました。
また、病んだ社会から脱出する方法もとても腑に落ちるものでした。そして、ちゃんと言語化されることによって、それが知恵と大きな力を授けてくれることにも改めて気づくことができました。
わたしは簡単に後退的逃避に走りがちなので、じぶんなりのパラレル社会を創造し、維持していくことに集中することが大事だと思いました。まずは身近なところから、取り組んでみようと思います。
ありがとうございました。